◆ 価値観が変化Lた実例 ②「スキー」「リゾートマンション」◆
1980¥1990年代、スキーが若者たちの冬のレジャーの定番でした。大学生や若手の社会人たちがこぞってスキーを楽しんでいた時代です。スキー用品がとてもよく売れ、男女ともにおしゃれなスキーウェアを購入し、マイカーに乗ってスキー場に行きました。
首都圏のスキーヤーには、越後湯沢や苗場のスキー場などが非常に人気でした。
若者だけでなく全世代でのスキーブームでしたから、越後湯沢や苗場などには多くのリゾートマンションが建ちました。8階から10階建てくらいのリゾートマンションで1DKの安価なものから3LDKの高価なものまであり、売値は2000万円から1億円程度でした。
冬になると、多くのスキーヤーが週末のたびにスキー場を訪れたり、有休をとって長期間滞仕してスキーを楽しむという時代がありました。そしてそれは永久に続くと思っていたのです。
マイカーに乗ってスキー場へ行ったり、リゾートマンションを購入するというのは、「力と物の時代」には非常に大きな価値でした。しかし、時代は移り変わります。
現在では、そうしたリゾートマンションは先のしょみん向け別送と同じように、売値は平均300万円くらいにまで、落ち込み中には1DKくらいのものは100万円という定額で売られている物件もあります。
かつて関西の資産家を中心に南紀白浜(和歌山県)で余暇を過ごすということが流行(はや)り、リゾートマンションが人気となりました。つい最近、その地を訪れたのですが、良い立地にある10階建てのリゾートマンション(ワンフロアに30室くらいの規模)の利用者は10分の1程度で、半分廃墟のようでした。
また、関西にある大手企業が高度成長期に「これからは勤務時間が短縮し、休暇も増え、ヨーロッパのようにバケーションを楽しむようになるだろう」ということで、山林の大きな敷地を購入し、従業員のための保養所を造りました。
ところが今ではほとんど利用されず、会議をやったり、閲連会社の研修をやって、なんとか繋いでいる状態です。広大なテニスコートには閑占鳥が嗚き、家族連れの従業員の姿もありません。
「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房 令和6年刊より
R080817

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